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雄和華の里エリア中央芝生区画改良雑記‐後編‐

2018年の「華の里秋まつり~雄和よりみちフェス♪~」はかつてない盛況のうちに幕を下ろしたが、私たちには例年のようなしばしの休息もなかった。

現実味を帯びてきた華の里エリア改良の機会を逃すまいと協議とデッサンを繰り返して設計構想を練り上げていたのだ。

多くの方たちの助言を仰いだなかでも特にNPO法人「秋田バリアフリーネットワーク」の会員諸氏には活動団体の後輩として自らもかくありたいと思わされた。

初対面の相談から数日のうちに現地調査を実施する行動力もさることながら、関係者の草案を反映した図面の作成まで引き受ける親切心を私は忘れられないでいる。

ありがたいことに、不安だった資料の用意に時を弄さずに済んだ。

私たちは秋田市役所の担当部署との最後の会議へ臨み、問題の中央芝生区画へ環状の舗装路を設けるシンプルな工事が排水不良を解消し、イベント会場・歩道・ロータリー等と利用者にとっての用途を効率的に広げることを確かめ合った。

ただし、改良計画の最終的な採否は市議会の予算審議にゆだねられる。

私たちが華の里エリアの改良を念願とするようになったのは前任者に観光振興を託されて以来、大勢の来場者から現地でじかにそのことを訴えられてきたからだ。

同志の名簿は十分な量が備わっている。

今度は私たちがその方たちへ協力を訴える番だった。

ひとりひとりの声が議場へ届くように各人の行動を呼びかけたのだ。

また、鷲澤幸治会長(秋田国際ダリア園)の進言で小木田喜美雄市議会議員へ、さらに地元・雄和出身の工藤知彦市議会議員へ提案の背景を説明して支持を乞うた。

私たちにとって行政との連携や議会への働きかけは初めての経験であったが、折しも任意団体からNPO法人へ形態変革を遂げた頃であり、組織の公益性が認められていたことも幸いしたかもしれない。

2020年3月に市役所から予算確保の報を受けると当方の希望に沿って華の里エリアの最盛期である秋が来る前に工事は完了した。

当初は事業担当者の私でさえ実現を想像できない夢であったはずが、振り返ると市役所で思いを打ち明けたあの日から2年足らずで目的を果たしたことになる。

善意の手を差し伸べてくれた方たちへこの場を借りてお礼を申し上げたい。

そして、事に当たった私自身のことを述べれば、手に余る役回りだったからこそ、正直に助けを求め、意見に耳を傾け、一生懸命になれたのだと今は考えるようになった。

人と人の出会いとつながりの大切さに触れたような気がしている。

追記
この原稿を書いたのは2021年です。
私たちの生活を一変したコロナ禍も徐々に収束へと向かいつつあるように思います。
ここ数年自粛を余技なくされたイベントも来年には開催できると信じて一同鋭意構想中ですので、その際はぜひ遊びに来てください。

(nasu彦)

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