2018年の夏の終わり頃のことだった。
イベント(華の里秋まつり~雄和よりみちフェス♪~)の開催申請のため秋田市役所に足を運んだ際、市役所の担当の方にイベントに関する一つの問題を打ち明けてみた。
その問題とは会場の雄和華の里エリア中央にある芝生の水はけの悪さだった。
芝生は大きさにして870㎡ほどあり、ブラウブリッツ秋田の選手を招待してサッカー教室を開いたこともある。
ほかにもグランドゴルフ、足こぎバギーレース、ドッグランなど様々な企画を開催してきた芝生ではあるのだが、本降りとなった雨の後の数日間はひどくぬかるんでしまい、来訪者の方に立ち入り自粛をお願いしたり、企画を断念したこともあった。
この芝生スペースを有効活用してもっと来訪者の方たちを楽しませたい――、それはエリア関係者全員の思いだった。
芝生の所有者である市の理解を得れば何とかできるかもしれないと話を切り出した私に対し、若い担当の方は「具体的な案を提示してくれれば課内でかけあってみます」と予想外の親身さで応じてくれた。
門前払いを食らうと決め込んでいた小心者の私の価値観が少し変わった。
数年来の取り組みを評価してくれてのことだろうか――、そう考えると少し自信が湧いてきた。
意気揚々と経過を持ち帰ると、当法人の会員たちはすぐにエリア内事業所の正式な同意を集め、エリア関係者が一丸となった中央芝生区画改良の協議体制が整った。
イベント直前になると繁忙期にもかかわらず従業員を芝生の手入れに配しているエリアの観光名所「秋田国際ダリア園」の鷲澤会長・園長の父子へ恩返しができると思うと胸が高鳴っていた。
(nasu彦)